さて、
Neo: You were right Smith. You were always right. It was inevitable.
このセリフの「inevitable」という単語。「必然」でも間違いではありませんが私としては「不可避」のほうがしっくり来ます。望むと望まざるとに関わらず、避けて通ることのできない過程。しかも過去形であることから、これまでのいきさつを指していると考えています。
ネオ個人としては、自らを犠牲にし、トリニティをまきこむことになる自らの決断をイメージしているでしょう。もっと広い意味では、オラクルがスミスに「為すべきことをしなさい」というように、それぞれの立場で受け入れなければならない役割がある、とでもいう感じでしょうか。それは本人が自覚しているかどうかには関わり無く、最善を尽くす(最善と思うことを選択する)ことがそれぞれの目的の達成のためには避けて通れないことだといっているのでしょう。
ネオはいろいろな場面で悩み、迷い、ためらいながらも何を為すべきかを選択してきました。しかし、この段階まできてやっと迷いや不安を脱却し、自らの行動に確信を持てたのでしょう。「避けられないものだったんだ」というのは「これでよかったんだ」というニュアンスがにじみ出ているとおもいますね。